INTRODUCTION

人はみな人生という舞台で演じ続ける一人の役者だ、という言葉があります。

その演じる物語には様々な困難が立ちはだかる。

受験、就職、恋愛、子育て・・・

あなたは常に選択を強いられ、運命のサイコロを投げ続けてきたことでしょう。

そう、人生はギャンブルに富んでいます。

例えば恋愛はギャンブルです。そして演劇もまた、ギャンブル。

人はギャンブルで儲けたお金を、無意味な道徳の名において咎めます。

仕事で稼いだお金以外は卑しいお金だ、そう言うのです。

でも遺産は例外だそうです。昔から伝わるお金はまともなものなのだと。


そこでわたしたちは昔から伝わる「椿姫」という遺産を元手にギャンブルをしてみようと考えました。

「椿姫=原罪」という作品に人生を賭けてみようと思います。


可能性がまわりに充ちているときに、それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことですから。

STORY

19世紀中頃のパリ。

夜に生きる女、マルグリット・ゴーティエは贅沢三昧の日々を送っていた。

ある夜、青年アルマンと出逢ったことから二人の運命のルーレットは回り出す。

恋に落ちた二人は、パリを離れ田舎町イヴォワールで暮らすようになる。

しかし穏やかな暮らしは長く続かなかった。

ガストンの策略により再びパリに戻ってきたアルマンにマルグリットから別れの手紙が届く。

同じく別れの手紙を受け取ったマルグリットはパトロン・モーリアックの元で暮らすようになる。

そこへアルマンが現れる・・・。

絡み合った恋心に決着をつけるべく、とあるギャンブルを行う。


恋心を掛け金に・・・

さあ、恋を賭けよう!

HIDDEN STORY

「椿姫」とは、「モンテ・クリスト伯」「三銃士」を書いたアレクサンドル・デュマ・ペールの息子、アレクサンドル・デュマ・フィスが1848年に自身の体験を基に書いた長編小説です。

翌年1850年に戯曲化し舞台上演は大成功。

感激したジュゼッペ・ヴェルディが作曲したオペラ版が1853年に発表され、日本でもこちらの方が馴染み深いのではないでしょうか。


日本ではどちらも「椿姫」と訳されますが、小説原題は「La Dame aux camélias」文字通りカメリア(椿)の女とされており、オペラ原題「La traviata」は道を踏み外した女というタイトルが付けられています。

人はぼとりと落ちる落ちる椿の花に、死や堕落を感じるようです。


また、「椿姫」が由来となり、その女性がどんな人であろうと、例え余計なことであったとしても救い出そうとする男性心理のことを「カメリアコンプレックス」と呼ぶようになったと言われています。


ところで、デュマが恋に溺れた実際の人物の名はマリー・デュプレシーという高級娼婦ですが、彼女も肺病で、香りのない椿を好んでいたとか。

しかしその性格はマルグリットとはあまり似ていなかったようですね。

小説に描かれた彼女は「こんな人であったらなぁ」というデュマの理想形として描かれていたと言われています。